５回の住宅ローンを借りたFPが教える１０年後も後悔しないための住宅購入術

住まいのお金ＦＰ相談室の真崎です。

今年は梅雨が長かった影響で、マイホームの完成時期が当初のスケジュールよりも遅れているお客様がチラホラ見受けられます。

ではマイホームの完成時期が伸びると、依頼したお客様にはどんなデメリットが発生するでしょうか？



１つは当然ながら引っ越しのタイミングが遅れることです。

「子供の小学校入学に合わせて引っ越しできるように・・・」

とマイホームの計画をする方も多いですが、完成時期が遅れれば入学時期には間に合わなくなります。


そして金銭的な面では、賃貸に住んでいる期間は家賃の支払いが続くこととなります。

本来の計画であれば引っ越しも完了し、自分たちの資産の構築のために住宅ローンの支払いが始まっていた時期にも、大家さんの資産構築のために家賃を支払い続けることになります。

賃貸住宅の更新日をまたいでしまった場合には、１度賃貸借契約を更新して更新料を支払う必要も出てきます。


そして、更に金銭的に負担が増加するものがあります。

それはローンの利息負担を含めた諸費用のアップです。

通常、住宅会社への支払いは「着工金」「中間金（上棟金）」などと、工事の進捗に合わせて複数回に分けて支払うこととなります。

「何でマイホームの引き渡しを受けていないのにお金払うんだよ！」
と思われるかも知れませんね。

この支払い方法は、住宅業界特有の事情によります。

住宅を建築する際に、住宅会社は材料の仕入代金や大工さんへの手間賃を完成前であっても支払う必要があります。

ですので、住宅完成時に一括して代金をもらうと資金繰りが厳しくなるため、複数回に分けて代金を受領するシステムを採用しています。


そして通常は、「着工金」や「中間金（上棟金）」はそれぞれ1千万円前後のお金を準備する必要があります。

これを現金で準備できる人は少ないので、「着工金」や「中間金（上棟金）」に対してもローンを借りて支払うのです。

そして、このローンに対しては、利息の支払いはもちろん、保証料や事務手数料などの諸費用が発生します。

工期が伸びれば伸びた分だけ金銭的負担も増え、「着工金」「中間金（上棟金）」で借りるローンに対しては１０万円単位で費用が発生します。


ということは逆をいえば、代金の支払いを「完成時一括支払い」で対応してもらえれば、ローン諸費用の負担を抑えられることになります。

住宅購入の総予算からすれば大した金額ではないかも知れませんが、チリも積もれば・・・で、この諸費用を節約できれば住宅設備のオプションを充実させるための予算に回すこともできます。



住宅会社の中でも数は少ないですが、「着工金」も「中間金（上棟金）」も不要で、支払いは完成時に一括でＯＫという会社もあります。

しかし、完成時一括支払いで対応していなくても、「着工金」や「中間金（上棟金）」の割合を極力少なくしてくれるように交渉してみると、諸費用の節約に繋がりますよ。

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